Research Press Release

最近の南極気候変動の複雑性

Nature Geoscience

2013年4月15日

西南極と南極半島は最近劇的な気候変動を被っているが、変化のすべてが過去2千年間に見られた自然変動の幅の外側にある訳ではないという報告が、オンライン版に掲載される。

Nerille AbramとRobert Mulvaneyたちは、過去1000年にわたる氷コアを用いて過去50年間の南極半島における夏季の氷融解増大に対する歴史的状況を評価した。融解と凍結の徴候を示す層を見ることで、彼らは過去数十年の氷融解量は過去1000年間には見られないものであることを見つけた。

それとは対照的に、Eric Steigたちは西南極の氷コアアレイを用いて氷自体の同位体の徴候を調べた。モデルシミュレーションを用いて、彼らは、最近数十年の氷の同位体組成は熱帯太平洋の気候変動度と関連性があることを示した。彼らは、過去50年間の氷の同位体組成は過去2000年間のものと比べると異常であることを見つけた。しかしながら、彼らはこの同位体変化をもたらす太平洋の変動度は自然変動の幅を超えたものではないと述べている。

doi:10.1038/ngeo1787

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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