Research Press Release
【ビッグデータ】グーグルでの検索件数で株価の動きを予測できるのか?
Scientific Reports
2013年4月25日
グーグルでの金融関連用語の検索件数の推移についての定量分析が行われ、株式市場の動きをいち早く警告する兆候と解釈しうるパターンが明らかになった。今回の研究は、市場が大きく動く時期における市場参加者の行動に関する新たな見方を示すものかもしれない。
今回、Tobias PreisとHelen Susannah Moat、H. Eugene Stanleyは、2004~2011年のグーグル検索を分析して、株式市場データに記録された売買の決定に先行する情報収集過程を調べた。この分析では、金融と負債、株式市場に関連する用語を含む98の検索語に関する検索件数に焦点を当てた。その結果、研究対象期間中において、グーグルでの検索行動の変化を捉えたデータによって特定の将来動向を予測できることが示唆されている。今回の研究結果は、金融市場の急落の前には投資家が懸念を示す時期があるとする学説を裏づけている。この時期に、投資家は、最終的な売買判断を下す前に検索を行って、市場に関する情報をより多く得ようとするのではないかと考えられている。
今回の研究では、行動に関する大規模データから得られると考えられる集団的意思決定過程に関する手がかりの内容が明らかになった。株式を安く売却する前には、金融関連テーマに関する情報をより多く集めようとする心理が働くが、こうした心理の機構を解明するには、さらなる研究が必要だ。
doi:10.1038/srep01684
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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