Research Press Release

ナノ粒子のネットワーク形成

Nature Materials

2010年12月13日

ナノ粒子が結合して疎なネットワークを形成したエンプティーリキッド(empty liquid)が初めて観察されたことが、Nature Materials(電子版)に報告される。今回の研究成果によって、経年劣化しない極めて安定な軽量材料の合成が可能になるであろう。 ナノ粒子を分散させたコロイド懸濁液は、一般的には、非常に時間をかけて、2相に分かれる。そのような分離が起こるのは、不安定なゲルである。しかし、Ruzickaらは、相分離せず安定ゲルになる低密度(つまり、ほとんど中身がない)液体を形成するコロイド粘土を7年間にわたって観察した。そのゲルは、ナノメートルサイズの円板が互いにT字形に接触する(つまり、ある円板の縁が別の円板の面と接触する)疎なネットワークからなる。これは、結合の数が限られたコロイド粒子に関するコンピューターシミュレーションから予測されたとおりの結果である。

doi:10.1038/nmat2921

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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