Research Press Release
髄膜炎菌性疾患に関連する遺伝的多型
Nature Genetics
2010年8月9日
髄膜炎菌性疾患に対する感受性に関連する遺伝的多型について報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。髄膜炎菌性疾患は、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)の感染によって生じ、低年齢層の罹患率が高く、治療を受けない場合の死亡率が高い。
この論文で、S Davilaらは、髄膜炎菌性疾患についてのゲノムワイド関連解析を行い、その結果を報告している。今回の関連解析は、英国の475症例を対象に実施され、その後、西ヨーロッパと南ヨーロッパの2集団において解析結果の再現性が確認された。Davilaらは、宿主の髄膜炎菌性疾患感受性に関連するゲノム領域を同定したが、この領域には、自然免疫応答の一部である補体第二経路の調節因子である補体H因子(CFH)遺伝子が含まれている。補体H因子は、髄膜炎菌と結合し、その感染に対する宿主の免疫応答に関与している。
doi:10.1038/ng.640
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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