Research Press Release
バルーンカテーテルにセンサーを組み込む
Nature Materials
2011年3月7日
センサー技術を直接バルーンカテーテル(心臓手術で血管閉塞を治療するために使用される)の薄膜に適用した生体適合性材料が開発されたことが、Nature Materials(電子版)に報告される。このバルーンカテーテルは、低侵襲性手術器具として利用できるようになるかもしれない。心臓治療を行うばかりでなく、病変の深さや血流、局所温度に関する情報を提供できるようになるであろう。
先端的な手術器具を開発する際、主な課題となるのは、体内器官の柔らかい表面に適合する材料に、有効なコンピューターチップとセンサー技術をあわせて導入することである。そのような一体型材料によって記録された情報は、困難な手術の時にきわめて重要であろうし、心臓切開手術を短縮し死亡率を下げるのに役立つであろう。
J A Rogersらは、電極とセンサーがつながった伸縮可能なネットワークを備えたバルーンカテーテルを用いて、ラットの心臓手術時の心臓温度、血流量および電気生理学的データを測定した。次に、バルーンカテーテルに組み込まれた高周波電極を用い、制御しながら局所アブレーション治療(特定の心臓障害の治療に使われる)を行った。
doi:10.1038/nmat2971
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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