Research Press Release
メチル化DNAの直接検出
Nature Methods
2010年5月10日
1分子リアルタイム(SMRT)配列解読法を利用することによって、DNA中の塩基のメチル化状態を直接知ることができる。細胞内DNAのメチル化の特徴がゲノム配列と同時に明らかにされることで、細胞がどのように調節されていて疾患では何が異常なのかという問題に関して、高次の情報が得られる。
DNAのメチル化は、ほぼすべての生物種にとって重要である。細菌は、アデノシンにメチル基を付加してその複製およびDNA修復を調節し、脊椎動物はシトシン塩基のメチル化を利用して遺伝子発現および発生を調節している。DNAメチル化の異常は、疾患で多くみられる。これまで、メチル化ヌクレオチドのスキャンが基盤としてきた間接的な検出法は容易でなく、時間がかかるうえに誤りが多かった。
S Turnerたちが開発した合成によるSMRT配列解読では、ヌクレオチドの取り込みの動態を記録することによってメチル化ヌクレオチドを直接検出することができる。研究チームは、DNA合成で酵素が相補的なヌクレオチドを取り込むのに時間が長くかかることを感知することによってメチル化ヌクレオチドを発見しており、それを細菌のDNAに応用した。
doi:10.1038/nmeth.1459
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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