Research Press Release

行動する脳を見るための新たな窓

Nature Methods

2010年6月7日

ハエの脳が視覚情報を運動行動に変換する仕組みが、Nature Methods(電子版)に発表される。

脳が視覚的な刺激を処理して運動に変換する仕組みを研究するうえで、ショウジョウバエDrosophila melanogasterは理想的な生物である。生きたハエを用いる生理学的実験の多くでは、足が自然に動かないようにハエを固定する。出色の新技術で、Jayaramanたちは、ハエに視覚刺激を与えると同時に一部のニューロンの活性を遺伝的にコードされたカルシウムセンサーで測定する方式を考案した。測定は、空気で支持されたボールの上をハエが歩くときの動きを追跡して行われた。

測定したニューロンの活性は、視覚刺激に対する特定の歩行行動と関連していることがわかった。この技術を用いれば、現在は機械的に対処が困難なほかの生物の学習および記憶に関する研究も可能になると考えられる。

doi:10.1038/nmeth.1468

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度