Research Press Release
ブラックカーボンのプリューム
Nature Geoscience
2010年7月26日
大気中の硫酸塩に対するブラックカーボンの割合を増加させると気候温暖化が増大することを示唆する研究成果が、Nature Geoscience(電子版)に掲載される。ブラックカーボン・エアロゾルは太陽放射を吸収し地球温暖化の際立った原因であると考えられている。
V Ramanathanたちは、中国で地表および飛行機によるエアロゾル・プリュームの測定を用いて、硫酸塩に対するブラックカーボンのさまざまな割合が温暖化に対して及ぼす影響を調べた。彼らは、吸収される太陽放射の量は割合が増加するにつれて増大することを発見した。さらに、化石燃料から発生するブラックカーボン・プリュームは植物体の燃焼によって発生するプリュームよりも温暖化に対して100%より効率的であることもわかった。
Ramanathanたちは、気候緩和政策は放出されるブラックカーボンの全量だけでなく、放出されるブラックカーボンの硫酸塩に対する割合を減少させることをめざすべきであると示唆している。
doi:10.1038/ngeo918
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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