Research Press Release
火星の古代海洋
Nature Geoscience
2010年6月14日
30億年以上前、火星北部の低地は広大な海に覆われていたとの報告が寄せられている。これまでの探査機による調査は火星の古代海洋の存在の可能性について指摘していたが、過去の証拠については不確かであった。
G Di AchilleとB Hynekは、火星の古代三角州堆積物と河川谷網の分布を解析した。彼らの調査によると三角州の多くは同じ高度に存在することがわかった。著者らは、これらの三角州は古代の海岸線を取り囲んでおり、火星北部の平原に広大な古代の海洋が存在したことの強い証拠を提供していると示唆している。
新しく提案された海岸線はまた古代の河川谷網からの流出とも一致しており、古代の火星には全球で一様な水位が存在したことを示唆している。
doi:10.1038/ngeo891
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
生物学:全ヒト細胞アトラスの作成Nature
-
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
健康科学:イカに着想を得た針を使わない薬物送達システムNature
-
化学:光を使って永遠の化学物質を分解する新しい方法Nature
-
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications