Research Press Release

【微生物学】ビタミンCが結核菌を死滅させる

Nature Communications

2013年5月22日

ビタミンCが結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を選択的に死滅させることが実験的に明らかになった。結核の化学療法は、長期間にわたって行われるが、特に抗菌剤耐性菌株を原因とする感染の場合に功を奏さないことが多い。今回の研究は、結核の治療法にビタミンCを追加することが有益である可能性を示唆している。このことは、古くは1930年代に発表された科学論文でも示唆されていた。

今回、Bill Jacobsたちは、M. tuberculosisが、他の病原細菌と比べて、ビタミンCに対する独特の感受性があり、ビタミンCが、実験室条件下でM. tuberculosisを死滅させることを明らかにした。また、ビタミンCがM. tuberculosisを死滅させることができるのは、細菌細胞内で活性酸素種が発生するからであり、この影響が、抗生物質に感受性を有する細胞と耐性を有する細胞のいずれにおいても明白なことも判明した。

Jacobsたちは、結核の治療法におけるビタミンCの利用可能性を探るためには、さらなる研究を行う必要があると考えている。

doi:10.1038/ncomms2898

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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