Research Press Release
再発阻止
Nature Neuroscience
2013年6月24日
哺乳類ラパマイシン標的複合体1(mTORC1)というタンパク質を妨害すると、アルコールに付随する記憶を乱し、薬物濫用モデル動物で行動再発を抑制できるという報告が、今週オンライン版に掲載される。この研究は、ヒト患者で薬物濫用の再発を防ぐ治療の標的となる可能性を示唆している。
以前薬物と同時に経験した合図に遭遇すると、薬物への渇望が呼び起こされることがあり、薬物濫用の再発の可能性が高まる。Dorit Ronたちは、アルコールの匂いや味(ただし、アルコールそのものではない)に出会うと、ラットがアルコールを得ようとする意思が増加し、同時に脳のいくつかの領域でmTORC1タンパク質が活性化されることを発見した。Ronらがアルコールの合図に触れた直後にmTORC1の活性化を阻害したところ、再発行動が抑制された。
mTORC1はまた、再活性化によって空間認識や恐怖記憶の強化に関与しており、mTORC1が記憶の再統合に全般的な役割を果たす可能性が示唆される。
doi:10.1038/nn.3439
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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