Research Press Release
地震学的悲鳴の沈黙
Nature Geoscience
2013年7月15日
アラスカのリダウト火山で2009年の噴火の直前に観測された微動の振動、すなわち地震学的な悲鳴は、火山噴火口直下2~3キロメートルにある断層の固着滑りにより生成された可能性があるという報告が、今週オンライン版に掲載される。微動の周波数が増加したことが観測されており、その後それぞれの噴火前に突然観測されなくなったが、その原因は今までよく分からなかった。
Ksenia Dmitrievaらは数値モデルを用いて、リダウト火山で観測された火山性微動(0.5から5Hzの周波数範囲で振動が継続する)は、小さな地震を生成する断層上の固着滑りによって引き起こされた可能性があることを示した。地震は火山内の応力が増加するにつれてより頻繁に発生し、連続した微動の雑音、すなわち地震学的悲鳴を生成する。著者等は、結果として慣性効果が断層の動きを安定化させ、断層を安定的に滑らせ、地震波を発生させることなく微動も止まると報告している。この噴火前に観測される特徴的なパターンは、将来的に火山噴火災害の削減戦略に役立つ可能性がある。
doi:10.1038/ngeo1879
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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