Research Press Release
がん細胞を捕捉する
Nature Nanotechnology
2013年9月30日
新しいナノ材料系チップを用いれば、がんの全身転移のきっかけとなる細胞を、初期がん患者の血液から高感度で検出できる。今週オンライン版に掲載される報告によると、これらの細胞を単離・回収することによって、がん患者の診断と治療に関する情報が得られる可能性がある。
このたびSunitha Nagrathらは、微量の循環腫瘍細胞を捕捉できる酸化グラフェン系チップを開発した。循環腫瘍細胞は、既存の腫瘍から剥がれて血流に乗って他の組織まで運ばれるため、がんを転移させる。今回開発されたナノスケールデバイスを用いることにより、健康な血液細胞から循環腫瘍細胞を選別し、バイオマーカーを分析することができる。研究チームは、こうしたバイオマーカーが、がんの性質に関する知見をもたらし、がん管理に影響を与える可能性があると考えている。
doi:10.1038/nnano.2013.194
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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