Research Press Release
一細胞の遺伝子の画像を得る
Nature Methods
2013年10月7日
数千個のヒト細胞のそれぞれに関して遺伝子発現を自動測定する方法が、今週オンライン版に掲載される。その方法は、単一分子蛍光 in situ ハイブリダイゼーション法(smFISH)として知られる技術を大規模化するもので、RNA転写物が細胞内のどこにあるかを明らかにしてその生物学的機能に関する重要なてがかりをもたらす。
smFISHでは蛍光プローブとの結合を利用して細胞内の特定のRNA配列を検出することができるが、それぞれのRNA分子に対応する「点」の画像を得るには、高倍率の拡大および精密な画像化装置設定が求められる。Lucas Pelkmansたちは、はるかに明るいプローブを利用することにより、さらに多くの細胞の高速で確実な低倍率の画像化、低レベルな発現の正確な定量、および極めて短いRNA転写物の探索を行うことができた。そのソフトウェアツールは、自動的に細胞および核の輪郭を明示し、点を計数して発現を定量化し、転写物の細胞内での所在を網羅的に記録する。ヒト細胞を用いた研究の結果、高処理能のRNA配列解読法(RNA-seq)に匹敵するほど再現性が高い発現レベルが示された。
研究チームは、そのデータを利用して機能が関連する遺伝子を細胞内で発見することによってそれほど多くの細胞内で転写物の発現量および所在部位の流動性を測定することの重要性を強調している。
doi:10.1038/nmeth.2657
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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