Research Press Release
【甲冑魚類の鱗】ピラニアにかみつかれても大丈夫
Nature Communications
2013年10月16日
アマゾン川流域に生息する淡水魚ピラルクー(Arapaima gigas)の鱗の中には、板状の構造体が配置されており、ピラニアの噛みつきから身を守るうえで重要な役割を果たしていることが分かった。
ピラニアは、恐ろしい外敵として知られ、その鋭い歯で獲物に食いつき、動けなくさせる。特定の魚類は、進化の結果、ピラニアの攻撃による死を免れるようになっており、素早く泳ぐ能力を備えたものや噛みつかれたときの歯の衝撃を吸収する天然の装甲(保護鱗)をまとうようになったものもある。今回、Robert Ritchieの研究グループは、ラメラという板状構造体がピラルクーの鱗に分布しており、これが、外力のエネルギーを吸収することを発見し、ラメラが向きを変え、ねじれることによって、ピラニアの歯によって加えられた高い応力を軽減し、鱗に穴があかないようにしていることを明らかにした。Ritchieたちは、ラメラの外層によって鱗の硬さと貫入抵抗がもたらされ、鱗の重なり合いとラメラの波形の外表面によって鱗が上述のように曲がり、引張応力を内部の下層鱗に移動させていると結論づけている。
doi:10.1038/ncomms3634
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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