Research Press Release
白斑に対する感受性
Nature Genetics
2010年6月7日
白斑という一般的な自己免疫疾患は、皮膚や毛髪の色素脱失による皮膚の脱色素斑や白髪まじりの髪を特徴とするが、このほど、白斑に関連する遺伝的多型が同定され、この結果を報告する論文が、Nature Geneticsに掲載される。この結果は、白斑の発症において、免疫調節遺伝子が何らかの役割を果たしていることを示唆している。
R Spritzらは、北米とヨーロッパの2つの集団を対象とした白斑のゲノムワイド関連解析の続報を発表している。この中で、著者は、白斑に関連するゲノム領域として、FOXP1、CCR6両遺伝子が含まれている2つのゲノム領域を新たに同定した。この2つの遺伝子は、免疫調節でそれぞれの役割を果たしていることが知られている。
一方、X-J Zhangらは、中国・漢民族集団の白斑症例1,000例以上を対象としたゲノムワイド関連解析の結果と、別の2つの中国人集団の6,000例以上の症例を対象とした追解析の結果を報告している。Zhangらは、白斑に関連する3つのゲノム領域を同定した。そのうちの2つの領域は、自己免疫において重要な役割を担っている主要組織適合遺伝子複合体(MHC)内の領域である。
doi:10.1038/ng.602
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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