Research Press Release
アルツハイマー病に関連する遺伝子多様体
Nature Genetics
2013年10月28日
アルツハイマー病に関連する遺伝子多様体について報告する研究論文が、今週オンライン版に掲載される。
今回、Philippe Amouyelたちは、大規模な関連解析を行った。最初に、17,008人のアルツハイマー病患者と37,154人の健常者を対象とした全ゲノム関連解析を行い、次いで、8,572例のアルツハイマー病症例と11,312人からなる対照群を対象とした第2段階の解析を行った。その結果、すでに確立されているAPOE遺伝子座の関連に加えて、遅発性アルツハイマー病と有意に関連する19のゲノム領域が同定され、そのうちの11領域は今回新たに感受性座位として同定された。以上の新知見は、これまでアルツハイマー病の病態に関係すると考えられてきた経路(例えば、免疫応答、炎症、細胞移動、脂質輸送の各経路)の存在を裏付けている。また、Amouyelたちは、アルツハイマー病の発症リスクに関わっていると考えられる新たな候補遺伝子と経路も指摘している。
doi:10.1038/ng.2802
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化学:アルゴリズムは、ウイスキーの最も強い香りと原産地を嗅ぎ分けることができるCommunications Chemistry
-
天文学:月の年齢はより古いNature
-
気候変動:南極の海氷減少が嵐の発生を促すNature
-
天文学:天の川銀河の超大質量ブラックホールの近くに連星系を発見Nature Communications
-
惑星科学:土星の環が若々しい外観を保っている理由Nature Geoscience
-
惑星科学:木星の衛星イオに浅いマグマの海はないNature