Research Press Release

血小板の機能に人種による違い

Nature Medicine

2013年11月11日

黒人被験者から取った血液中の血小板は、白人被験者由来の血小板よりも迅速に活性化されるとの報告が寄せられている。血小板が活性化されると血液凝固が亢進するので、黒人の方が白人に比べて冠状動脈性心疾患の場合の生存率が低いことが、これで説明できる。

Paul Brayたちは、154人の健康な被験者(人種について、黒人か白人かを自己申告した)から得た血小板を比較し、黒人由来の血小板ではマイクロRNAの1つ、miR-376cのレベルが低下していることを発見した。miR-376cレベルが低いために、その標的タンパク質量も増加していた。この標的タンパク質は、血液凝固を促進する酵素トロンビンによる血小板の完全活性化に必要なタンパク質である。

これらの知見から、特にトロンビン活性を阻害するタイプの抗血栓剤を利用する場合には、抗血栓剤に対する臨床反応に人種的な違いがあることを考慮に入れる必要があることが明確になった。

doi:10.1038/nm.3385

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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