Research Press Release
火星は明るくなっている
Nature Geoscience
2013年11月18日
火星は暗い玄武岩のみによって覆われていたとこれまで考えられていたが、明るい岩石もあるという2つの報告が、今週オンライン版に掲載される。最近マーズ・キュリオシティー探査機により検出された明るい物質は孤立した事例ではなく、火星に広範に存在するマグマ活動を反映したものであることが、これらの知見から示唆される。
James Wrayら、およびJohn CarterおよびFrancois Pouletの2つの独立した研究グループは、マーズ・リコネッサンス・オービターで得られた組成データを解析した。彼らは、明るい色をした長石鉱物が豊富に存在するという特徴を持つ複数の地形を火星で同定した。長石に富む岩石はこれまで火星と地球のみで見つかっており、複雑なマグマ過程の産物であると考えられている。研究者等は、火星の岩石は、この赤い惑星ではプレートテクトニクスが存在しないにもかかわらず、古代の火星で長期にわたったマグマ活動の産物である可能性を示唆している。
関連するNews&Viewsの記事でBriony Horganは火星で長石に富む地形が広範に見つかったことは、「研究者がグレートクレーターのキュリオシティ・ローバー着陸地点で見つかった珪長質岩石と土壌の起源を理解するために役立つであろう」と書いている。
doi:10.1038/ngeo1994
doi:10.1038/ngeo1995
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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