Research Press Release
火山噴煙高度は予測可能?
Nature Geoscience
2014年1月13日
2011年にアイスランドのグリムスボトン火山噴火から噴出した噴煙の高度変化は、約1時間前から始まった地面変動の変化と相関があるという報告が、今週のオンライン版に掲載される。この関連性は、一時的に北ヨーロッパの空路を閉鎖させることになった、グリムスボトン火山から噴出した高さ20キロメートルに及ぶ火山灰噴煙の噴火を予測することに役立つ可能性がある。
Sigron Hreinsdottirたちは、グリムスボトン火山で2011年5月の噴火の前後にレーダーデータと写真を用いて噴煙の高さを記録したときにGPS観測により地面変動を監視した。彼らは、噴煙の高さはGPS観測と密接な関連があることを見つけたが、これは両者が火山のマグマだまり内部の圧力変化により支配されていることを示唆している。しかしながら、地面は噴煙が噴出する約1時間前から変形を始めており、GPSデータが火山灰噴煙の噴火と進化を予測することに用いることができる可能性を持つことを示唆している。
関連するNews & Viewsの記事でPaul SegallとKyle Andersonは、「この研究は、準実時間の地面変動データは、差し迫った噴火に対して適切な時期に警報を発することに用いることができることを示している。このような情報は航空路の安全に対して極めて重要である」と書いている。
doi:10.1038/ngeo2044
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:大きな鳥は必ずしも鳥頭というわけではないScientific Reports
-
コンピューターサイエンス:AIツールが創造的なビデオゲーム開発を支援Nature
-
生態学:深海の生態系を調査するNature Communications
-
がん:CAR-T療法を受けた患者に長期寛解Nature Medicine
-
素粒子物理学:最高エネルギーのニュートリノが話題を呼ぶNature
-
動物の行動:カメは磁気地図が食べ物に導くと踊るNature