Research Press Release
若いグランドキャニオン
Nature Geoscience
2014年1月27日
米国南西部のグランドキャニオンは、これまで考えられていたよりも最近の、過去500万年から600万年の間に形成された若い地質峡谷であるとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。この形成年代については、熱心な議論があり、7000万年も前に形成されたと論じている研究者もいた。
Karl Karlstromたちは、侵食により岩石の上にある層が取り除かれて岩石が地球表面に現れた時期を測定する方法である温度年代学的手法を用いて、グランドキャニオンの4か所で形成時期に拘束条件を与えた。彼らは、2か所は古代の古峡谷であり、1つは5000万年から7000万年前の間に形成され、その他は1500万年から2500万年前の間に形成されたことを発見した。しかしながら、残りの2つの古峡谷は年代が若く、過去500万年から600万年に刻み出されていた。従って、研究者たちは、たとえ峡谷の一部が古くても、グランドキャニオンが現在見られるような1つの巨大なつながった峡谷となったのは、過去500万年から600万年の間に形成されたものも含めた全ての小さな峡谷がコロラド川の浸食によって連結したときであったと結論している。
doi:10.1038/ngeo2065
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
生物学:全ヒト細胞アトラスの作成Nature
-
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
健康科学:イカに着想を得た針を使わない薬物送達システムNature
-
化学:光を使って永遠の化学物質を分解する新しい方法Nature
-
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications