DNAメチル化を通じて季節を追跡
Nature Neuroscience
2014年2月17日
光の明暗に関する24時間の日周期が伸びたり縮んだりすると、マウスの脳にエピジェネティック(後成的)な変化が生じる可能性があり、こうした変化がさらに身体活動性のような日周行動に影響するかもしれない。このような報告が、今週のオンライン版に掲載される。このようにエピジェネティックな調節を理解できれば、かなりの期間にわたって昼間が短縮するある種の状況におかれた人々(夜勤従事者など)が直面する有害な影響を抑制するのに有用かもしれない。
秋や冬といった昼間が短くなる期間、神経内分泌系は短い昼間や遅い夜明けといった日周変化に対する応答性を変化させる。日光への曝露に関わるこうした変化は、哺乳類の視交叉上核(SCN)という日周行動の調節に関わる脳領域における分子時計遺伝子の変動に影響することが知られている。
Steven Brownたちは、短い昼間(通常の1日12時間ではなく1日11時間という実験条件)を数週間経験したマウスは、自発練習(踏み車走行)を行う総量が減少し、こうした行動の変化にはSCNニューロンでのゲノム全体にわたるDNAメチル化の変化が伴っていることを発見した。DNAメチル化を損なう薬理的阻害物質は、正常な24時間の光周期においたマウスの踏み車走行動作を同じく変化させた。Brownたちは、マウスでのこれらの発見は、哺乳類脳におけるエピジェネティックな変化が、日光への曝露が変化した際の応答行動を調整するのに重要である可能性を示唆していると確信している。
doi:10.1038/nn.3651
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