Research Press Release
二畳紀後期大量絶滅の際に維持された生活様式多様性
Nature Geoscience
2014年2月24日
2億5200万年前の二畳紀後期大量絶滅の際に、生息環境、採餌および移動性で定義される生活様式の多様性は、海洋生物種の90%以上が失われたにもかかわらず海底ではほとんど変化がなかった。多くの生活様式で変化がなかったことは、絶滅の後に海洋生物の新しいグループはほとんど生じていないことの理由になると、今週のオンライン版に発表された論文の著者等は示している。
William J. Foster とRichard J. Twitchettは、大量絶滅の前後に海底で全球的に生息していたことが知られている生物属の生活様式を評価した。彼らは、生活様式を、生物が生息していた堆積層の位置、餌の内容および海底に接地していたかどうかという、3つの変数に分割した。彼らは、一部が埋まっていて動かず、接地していない堆積物捕食型の生活様式を持つもののみが絶滅の際に失われ、移動性ウミユリに代表されるただ1つの新しい様式がその後に生じたことを見つけた。
関連するNews & Viewsの記事で、Martin Aberhanは、「全球的に空いた環境容量がなかったことは、より高位の分類群と新たな生活様式が比較的限定的にしか生まれなかったことを説明できる」と書いている。
doi:10.1038/ngeo2079
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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