Research Press Release
収縮する惑星・水星
Nature Geoscience
2014年3月17日
水星は過去40億年の間に最大7キロメートルも半径が収縮したという報告が、今週のオンライン版に掲載される。この発見は、水星がこれまでの推定よりもはるかに収縮したことを示唆している。
Paul Byrne等は、メッセンジャー探査機により取得された画像を用いて、水星表面の尾根や断層の位置を特定した。これらの地質学的構造は、惑星の地殻が、最初は高温だった惑星が冷えて縮まる際に起きる圧縮による座屈や破砕によって形成されたと考えられている。研究者たちは、尾根や断層により地殻が変位した総量を足し合わせて、水星表面積の減少は、惑星の半径が最大7キロメートル失われたことに匹敵することを発見した。
水星表面の観測された変形が19世紀に地球の収縮に対して用いられた理論と一致することは興味深い。この理論は、地球の表面はプレートに分割されているので、地球には用いられないが、水星は単一のプレートで覆われているのでプレートテクトニクス過程により熱が失われることがない。
関連するNews & ViewsでWilliam McKinnonは「収縮している惑星で何が実際に起きうるかについての例を水星は提供している」と書いている。
doi:10.1038/ngeo2097
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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