【保全】ペルーのアマゾン川流域での違法な森林伐採の定量化
Scientific Reports
2014年4月17日
ペルーのアマゾン川流域での持続可能な森林伐採を強化するための政策が、実際には、この地域での違法伐採の一因になっている可能性が明らかになった。今回の研究では、法律に基づく森林伐採権制度のある地域で伐採が十分に抑制されておらず、多くの森林地帯(保護林と天然林を含む)に対する脅威が存続していることが示唆された。この結果を報告する論文が、今週掲載される。
2009年に発効した米国・ペルー貿易促進協定には、ペルーでの森林ガバナンスを強化し、森林資源の持続可能な管理を促進することを目的とした附属書が設けられている。こうした努力をはじめとして、数々の努力が払われているのだが、ペルーでの違法伐採はなくなっていない。
今回、Matt Finerたちは、違法伐採に関連した違反行為の地理的スケールと種類についての解明を進めるため、ペルー政府のデータを解析した。その結果、監督機関によって監視された森林伐採権の68.3%に重大な違反行為の疑いがあり、発給された森林伐採権の約30%が違反行為のために取り消されていたことが判明した。違反行為の内容を調べたところ、法的に有効な森林伐採権に伴う許可証が、無許可区域での伐採に利用されていることが分かった。また、多くの違反行為は、絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)に定める木材種の違法伐採を許可区域外で行うというものだった。
ペルーのアマゾン川流域で絶滅の恐れのある森林地帯を保護するためには、さらなる改革が必要となる可能性のあることが、今回の研究で示唆されている。
doi:10.1038/srep04719
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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