Research Press Release
交雑に適した気候
Nature Climate Change
2014年5月26日
気候温暖化によって北米西部のサケ類の交雑(在来種と外来種の異種交配)が増加していることを示した研究論文が、今週のオンライン版に掲載される。こうした相互作用は気候変動下で増強されており、生物多様性に対する深刻な脅威となっている。
今回、Clint Muhlfeldたちは、在来種のウエストスロープカットスロートトラウト(Oncorhynchus clarkii lewisi)と、過去1世紀にわたって米国モンタナ州のフラットヘッド川水系に導入されてきた外来種のニジマス(Oncorhynchus mykiss)の交雑の範囲を調査した。その結果、過去においては、交雑は1つのソース個体群だけに広がっていたが、温暖化が加速したここ30年の間に、交雑は水系を介して上流へ急速に広がったことが分かった。また、春の降水量の減少と夏の川の温度の上昇が、この変化の主な駆動因であることが明らかになった。
doi:10.1038/nclimate2252
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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