Research Press Release
月の水
Nature Geoscience
2014年5月26日
月の石の中に検出された水分子は、月内部のさまざまな領域から生成され、領域の中には他よりも水分が多いところもあったと報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。月は、6年前に月試料の中に水が検出されるまでは乾燥していると考えられていた。
Katharine Robinson とG. Jeffrey Taylorは、過去6年間に報告された、アポロ計画により得られたさまざまな月試料中に捕獲された水分子に関する測定をまとめた。彼らは、水分子の濃度とその化学的性質は岩石種類によって変化することを見つけた。例えば、火山性ガラス中の水濃度は、地球のマントルの一部と同程度に水分を含んだマグマ起源と一致するが、他の玄武岩はより乾燥したマントル生成源由来であると考えられる。
まとめると、この測定結果は、月内部での水の分布と化学組成は変化しており、月がどのように形成されて時間と共にどのように進化したかを理解するための手掛かりを示していると考えられる。
doi:10.1038/ngeo2173
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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