Research Press Release
融解水の再凍結で変形し温められるグリーンランドの氷
Nature Geoscience
2014年6月16日
グリーンランド氷床の下では融解水の再凍結が広範に広がっており、氷の流れの振る舞いに影響を及ぼしているとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。
Robin Bellたちは地球物理学的データを解析し、グリーンランド氷床の底に、再凍結した融解水と一致する独特の氷の部分があることを見つけた。この部分は厚さが1キロメートルを超え、グリーンランド北部の数十キロメートルにわたり広がっていて、周囲の氷床の湾曲と変形を引き起こしている。興味深いことに、Bellたちは、グリーンランド北部のペテルマン氷河下にあり、気候が温暖化したときに北極海に急速に質量を流出させる最も速く流れる地域が、この底部の氷の部分と一致することを見つけた。
Bellたちは、融解水の再凍結で放出された熱が周囲の氷床を柔らくし、流れを強化していると示唆している。
関連するNews & Viewsの記事で、Joseph MacGregorが、著者たちは「グリーンランドにおいて、顕著な底部の再凍結は、表面の融解と速い氷の流れの両方と関連性があることを証明した」と述べている。
doi:10.1038/ngeo2179
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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