Research Press Release

ストレスが心臓を傷つける仕組み

Nature Medicine

2014年6月23日

慢性的なストレスは白血球数を増やし、動脈アテローム斑での炎症を悪化させて免疫系に強い影響を与えることが明らかになった。この知見は、ストレスが心臓発作のリスクを上昇させる仕組みを説明するのに役立ちそうだ。

M Nahrendorfたちは、病院の集中治療室で働く研修医29人を対象にして、慢性ストレスに曝されると1週間後の白血球数にどのような影響があるかを調べ、ストレスによって白血球が増加することを報告している。

彼らはさらに、健康なマウスでは、隔離したり、ケージを傾けたりするといった社会的要因や環境要因によって生じる慢性ストレスが骨髄の神経繊維を活性化し、幹細胞の増殖と白血球産生増加を引き起こすことを見いだした。アテローム性動脈硬化を起こしやすいマウスでは、白血球の増加が動脈のアテローム斑の炎症を引き起こすらしい。ストレスを受けたマウスのアテローム斑は、ヒトに見られる、破裂して心臓発作の原因になりやすい「脆弱な病変部」によく似ていた。

doi:10.1038/nm.3589

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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