Research Press Release
タイタンの海で見つかった波の可能性
Nature Geoscience
2014年6月23日
土星最大の月であるタイタンの北側にある海は、地球の湖で見られるのと同様な波や泡などの季節的な現象を示している可能性があるとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。NASAのカッシーニ宇宙船はタイタンを2004年から監視しているが、これは、季節が夏に向かってゆっくりと変化するにつれて、月の北半球で活動的な表面の過程が垣間見られた初めての事例となっている。
Jason Hofgartnerたちは、タイタンの北極海であるライジーア・メア(Ligeia Mare)で明るい特徴があることをカッシーニのレーダー・データから見つけた。明るい場所は、その前後のレーダー画像には見られないので、一時的な特徴であると示唆される。観測された特徴は、液体メタンの海の中あるいは上を伝わる表面波、上昇する泡、あるいは浮遊する物体と一致する。
地球の水循環と類似したメタン循環を持つタイタンは、表面に安定した液体のたまりを持つ太陽系では地球以外で唯一の惑星である。この発見は、タイタンの海で起きている活動的な表面の過程は地球の湖で見られる過程と同様な季節変化の表れである可能性があることを示唆している。
doi:10.1038/ngeo2190
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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