Research Press Release

鮮新世の温室効果温暖期における熱い熱帯海洋

Nature Geoscience

2014年6月30日

熱帯海洋で最も高温の地域は、300万年前から500万年前の鮮新世の最も温度が高かった時代には、温度が現在よりも摂氏1~2℃高かったとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。これは、鮮新世の熱帯海洋の温度は、全球の平均気温が3~4℃高かったにもかかわらず、今日のものと似ているとするこれまでの提案とは反対の発見である。

Charlotte O’Brienたちは、熱帯インド太平洋と大西洋高温水域の一部について、海洋堆積物から復元した過去の温度に対する3つの指標を用いて海水面温度の歴史を再現した。今日では、これらは全球海洋で最も高温の水域となっている。彼らは、鮮新世には、これらの地域の海水面温度は、温度の高い大気から予想されるように、今日よりも温度が高かったとの結論を出している。

関連するNews & Viewsで、Mark Paganiは「地球が今日とよく似たCO2濃度の大気に浸っていたにもかかわらず、鮮新世の世界はこれまで仮定していたよりも温度が高かったことについて説明するのがこれからの課題である。」と述べている。

doi:10.1038/ngeo2194

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度