Research Press Release
砂岩の不思議が説明された
Nature Geoscience
2014年7月21日
アーチや柱などの形状をした砂岩の独特の地形は、浸食と重力による砂岩の荷重との間のフィードバックにより形成されるとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。
Jiri Bruthansたちは、荷重を持った砂岩の立方体の浸食に対する実験と数値モデル化を実施した。彼らは、砂岩の立方体の側面が浸食していくと、その上の石の重さはより少ない砂粒により支えられるので、砂粒に対する鉛直方向の応力は増加することを発見した。応力が限界レベルに達すると、重さを支えていた砂粒が硬く固着し浸食に対する抵抗力が増す。それとは対照的に、より少ない重さを支えていた砂岩の部分はさらなる浸食を受けやすくなる。Bruthansたちのモデルは、高応力下にある部分の砂粒は互いに固着して安定した柱状の地形を出現させることを示している。Bruthansたちはさらに、砂岩の構造にある破砕帯などの弱点が応力場を変化させ、米国のアーチーズ国立公園や、ベネズエラのチュリテプイ(Churi Tepui)などで自然に見られる安定した形状の多様性を生み出すことを示している。
関連するNews & Viewsの記事で、Chris Paolaは、「これらの天然の彫刻は数多くの訪問者を喜ばせており、中にはそれがどうしてできたのかを不思議に思う人もいるが、これが答えなのである」と述べている。
doi:10.1038/ngeo2209
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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