Research Press Release
乳線維腺腫に見つかったMED12遺伝子の変異
Nature Genetics
2014年7月21日
良性の乳房腫瘍である乳線維腺腫の原因となる遺伝子変異が同定されたが、この結果は、乳線維腺腫と子宮筋腫(子宮の良性腫瘍)に共通する根本的原因があることも示している。詳細を報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。
乳線維腺腫は、乳房に発生する非がん性腫瘍で、30歳未満の女性が罹患することが多いが、その遺伝的原因は明らかになっていない。今回、Bin Tean Tehたちは、8点の乳線維腺腫の試料を用いて遺伝子の塩基配列解読を行い、同じ女性被験者の正常な組織の場合と比較した。その結果、4点の試料からMED12遺伝子の変異が見つかった。さらにTehたちは、別の90点の乳線維腺腫試料に含まれるMED12遺伝子の塩基配列を解読し、そのうちの50点で変異を確認した。
MED12遺伝子は、エストロゲン受容体と相互作用する数種類の遺伝子の1つだ。これと同じようなMED12遺伝子の変異は、女性に特異の良性腫瘍である子宮筋腫においても確認されている。
doi:10.1038/ng.3037
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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