Research Press Release
頭頚部がん患者の低い生存率を予測する2つの遺伝的変異
Nature Genetics
2014年8月4日
頭頸部がん患者が特定の2つの遺伝的変異を併せ持つと、生存率の予測値が低くなることが明らかになった。
頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)は、全世界で、毎年、約50万人が罹患し、そのリスク因子として、アルコール摂取、喫煙とヒトパピローマウイルスの感染がある。頭頸部がんの原因となる遺伝的変異の種類はさまざまにわたり、同じがんを罹患している患者であっても、生存期間のような転帰が一様ではない。
今回、T Idekerたちは、250人の頭頸部扁平上皮がん患者のデータを解析し、その転帰を予測する上で役立つ遺伝的変異の組み合わせを発見した。
TP53遺伝子の欠失と3番遺伝子の部分的欠失が両方存在すると、生存率が低いという予測が成り立つことが分かったのだ。この2種類の変異が組み合わさっていると、それぞれの変異による影響を合わせた以上の影響が生存期間に生じた。TP53遺伝子の欠失と3番遺伝子の部分的欠失を併せ持つ患者の5年生存率は約40%で、他の変異の組み合わせを持つ患者の5年生存率(60~80%)より低いことをIdekerたちは報告している。doi:10.1038/ng.3051
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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