【化石】アルゼンチンで見つかった未知の巨大恐竜の化石
Scientific Reports
2014年9月4日
アルゼンチンのパタゴニア南部で新種の恐竜の化石が発掘され、これまでに発見された巨大なティタノサウルス類の竜脚類恐竜の化石の中で最も完全なものの1つとされている。この巨大恐竜は、体重が約59.3トン(メートル法)、体長が約26メートル(標準的な25メートルの水泳プールよりやや長い)と推定されている。この発見は、ティタノサウルスの解明を進める上で役立つ可能性がある。この結果について報告する論文がこのたび掲載される。
ティタノサウルス類の竜脚類恐竜は、大型の草食動物で、約1億~6600万年前(白亜紀後期)に南半球の大陸で大量に生息していた。この分類群には、地球上に存在した最も巨大な動物の一部が属している。しかし、ティタノサウルス類のほとんど全てが、非常に不完全な化石からしか分かっておらず、その体形や体の大きさは、極めて少ない骨の試料による推定によるものである。そのことが障害となり、ティタノサウルス類の解剖学的構造の解明は進んでいなかった。
今回、Kenneth Lacovaraたちが新たに発掘した化石標本は、Dreadnoughtus schraniと命名され、完全な骨格を構成すると予想される骨の約45.3%が保存されており、全ての主要な骨格領域が残っていた。この骨格化石は、巨大なD. schraniの姿を詳しく解明する上で役立っており、D. schraniは、木釘のような歯、厚板のような肋骨、そして、ティタノサウルス類の他のほとんどの恐竜よりも大きな脚を持っていたと考えられている。上腕骨(前肢)と大腿骨(腿)の化石は保存状態が良好で、D. schraniの体重を計算するために用いられた。Lacovaraたちは、このD. schraniの推定体重が約59.3トンであるにもかかわらず、死亡当時も成長を続けていた点を指摘している。以上の新知見は、ティタノサウルス類恐竜の解剖学的構造と進化史についての新たな手掛かりとなると考えられている。
doi:10.1038/srep06196
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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