Research Press Release

免疫抑制剤の有害反応に関連する遺伝子多型

Nature Genetics

2014年9月15日

チオプリンは免疫抑制剤の一種で、炎症性腸疾患(IBD)の患者に処方されることが多い。ところが、チオプリン製剤を処方された患者の約4%が膵炎を起こしている。これは、命に関わる場合もあり、投薬開始から約24日後に起こる。この有害反応に関連する遺伝的領域が解明された

今回、G Heapたちは、172人の炎症性腸疾患患者を対象として、チオプリン誘発性膵炎と遺伝子多型との関連を調べた。その結果、獲得免疫応答に関係するゲノム領域に含まれる遺伝子配列が、チオプリン製剤の有害反応に関連していることが明らかになった。このゲノム領域では、2つの遺伝子座HLA-DQA1とHLA-DRB1に多型が存在した。これらの遺伝子は、抗原を免疫細胞と結合させるタンパク質の産生に関与しており、このプロセスが、抗体の産生につながっている。各多型を2コピー持っている患者は、薬物有害反応のリスクが17%で、1コピー持っている患者のリスクは9%であった。

doi:10.1038/ng.3093

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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