Research Press Release
【材料科学】タコから着想を得たフレキシブルディスプレイ
Nature Communications
2014年9月17日
頭足類の皮膚から着想を得て、フレキシブルディスプレイ上に表示されるパターンを制御する方法が考案されたことを報告する論文が、今週掲載される。
イカ、タコなどの頭足類の皮膚には、色素を保有する細胞の一種である色素胞がある。頭足類は、筋肉の収縮、伸展によって皮膚の色を変えることができ、これによって、色素胞から発する光の量を調節して、体色のパターンを素早く切り替えることができる。
今回、Xuanhe Zhaoたちは、この作用をポリマーの表面で再現した。電場を用いてポリマーにかかる張力を制御する方法が用いられ、このポリマーに埋め込まれた色素が、この張力に応答して、あらかじめ決めておいたパターンを表示した。Zhaoたちは、こうして作り出された文字や図形などのパターンの表示と消去を何度も繰り返した。将来的には、このフレキシブルディスプレイが、従来の平面ディスプレイに取って代わる可能性がある。
doi:10.1038/ncomms5899
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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