ヒトの身長に関連する遺伝子バリエーションを数百個も新規同定
Nature Genetics
2014年10月6日
253,000人以上を対象とした解析により、成人の身長と関連する遺伝子が新たに同定された。ヒト複合形質の研究においては、サンプルサイズが大きいことが重要であることが明確になった。
成人の身長は、多数の遺伝子の組み合わせによって決定される複合形質の典型例だ。世代間で受け継がれる遺伝要因が、身長の個人差の原因の約80%を占めている。
成人の身長は、多数の遺伝子の組み合わせによって決定される複合形質の典型例だ。世代間で受け継がれる遺伝要因が、身長の個人差の原因の約80%を占めている。今回、T Fraylingたちは、ヒトの身長に関する79件の研究で得られたデータを組み合わせて、成人の身長を決定する遺伝子を新たに同定した。そして、身長と強く関連する697個の遺伝子多様体(バリアント)を同定した。これに対して、183,727人の被験者を対象としたヒトの身長に関する最近の研究では、わずか180個しか同定されなかった。Fraylingたちの推定によれば、身長について観察される個人差には、数万個の遺伝子多様体が寄与しているが、その大部分のものは、影響が非常に小さいものである。今回の研究で発見された697個は、身長の個人差の約16%の原因となっている。これらの配列に対応する遺伝子には、骨と軟骨の成長と形成に関与するもの(例えば、コラーゲン遺伝子、骨形成性オステオグリシン遺伝子など)が多く含まれている。ただし、今回同定された遺伝子には、骨成長の調節機能を持つと考えられていなかったものも含まれており、それらは、今後の研究の有望な対象となるだろう。
doi:10.1038/ng.3097
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