Research Press Release
【肥満】「自然に」カロリーを燃焼させる方法
Nature Communications
2014年11月26日
齧歯類において、植物由来の分子であるベルベリンが、褐色脂肪の活性を上昇させることによって、余分なカロリーの燃焼に役立つという報告が、今週掲載される。褐色脂肪は、脂肪酸の代謝と熱産生により、エネルギー消費に積極的な役割を果たす。
ベルベリンという化合物は、薬草療法に用いられるさまざまな植物や中国伝統医学で一部用いられている植物に含まれている。ベルベリンについては、抗糖尿病作用、コレステロール降下作用など、さまざまな代謝的効果のあることが過去の研究で分かっている。
この論文で、Guang Ningたちは、遺伝的肥満マウスと高脂肪食を摂取するマウスにおいて、ベルベリンがエネルギー消費を増やし、体重の増加を抑え、低温耐性を改善し、褐色脂肪組織の活性を増強することを報告している。今回の研究では、ベルベリンのこうした作用が、熱産生によってカロリーを燃焼させる2種類の脂肪組織(褐色脂肪といわゆるベージュ脂肪)を活性化することによって生じることが明らかになった。また、ベルベリンが発揮する潜在的に有益な代謝作用の作用機構も初めて確立された。ただし、この機構がヒトにおいても働くかどうかは、今後の検証の結果を待たなければならない。
doi:10.1038/ncomms6493
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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