Research Press Release

子宮頸がんにおけるヒトパピローマウイルスDNA組み込みの全ゲノムマップ

Nature Genetics

2015年1月13日

子宮頸がんの主因であるヒトパピローマウイルス(HPV)のDNA組み込み部位のマップに関する報告が、今週掲載される。ウイルスの組み込みとは、宿主に感染したウイルスが、そのDNAを宿主のDNAに挿入するプロセスで、HPV感染後の子宮頸がん発症の主要なリスク因子の1つとなっている。

今回、Ding Maたちは、ハイスループットウイルス組み込み検出法を用いて、100件以上の子宮頸がん検体において3667のHPV組み込み部位を発見した。そして、少なくとも5件の検体からHPV組み込み部位が見つかった遺伝子が9個、少なくとも4件の検体からHPV組み込み部位が見つかった遺伝子が33個同定された。HPVのDNAが組み込まれた遺伝子は、発現が増加、あるいは抑制された。いずれの場合でも宿主の遺伝子上でウイルスのDNAが組み込まれた部位によっては、がんの発症リスクが高まることがある。以上の新知見から、子宮頸がん発生の初期段階の解明が進み、診療所での子宮頸がん検診が改善される可能性がある。

doi:10.1038/ng.3178

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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