Research Press Release

ハンセン病に関連する遺伝子バリアント

Nature Genetics

2015年2月3日

ライ菌(Mycobacterium leprae)感染後のハンセン病の発症リスクを高める遺伝的変異が明らかになった。

ハンセン病は、治療しないまま放置すると皮膚、神経、眼、気道の炎症を引き起こし、患者は疼痛知覚が失われて重度の損傷に至ることもある。ほとんどの人には、M. lepraeに対する生来の遺伝的免疫が備わっている。一方、主に免疫関連遺伝子の11個のバリアントが、ハンセン病に対する感受性(遺伝的リスク)の一因となっていることが知られているが、遺伝的リスク要因はこれで全てではない。

今回、F Zhangたちは、中国のハンセン病の患者8,313人と健康な対照群1万6017人を対象とした研究を行った。その結果、ハンセン病に対する感受性の上昇に関連する8個の遺伝子の近くに位置する6個の遺伝子バリアントが新たに同定された。また、ハンセン病のリスクに関連する既知の遺伝子バリアントも、すべて確認された。今回の研究では、ハンセン病のリスクに関連するバリアントの一部は、特定の自己免疫疾患のリスクを減らすことも判明した。このことは、これらの自己免疫疾患とハンセン病がトレードオフの関係にある可能性もあることを示している。

doi:10.1038/ng.3212

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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