Research Press Release
【神経科学】コンピュータゲームで脳内神経回路の結合が変わる
Scientific Reports
2015年4月16日
PCアクションゲームで遊ぶと、注意力と感覚運動の制御(眼と手の協調)と関連する脳領域の機能性が高まり、構造が変わる可能性があるという結論を示した研究論文が、今週掲載される。
PCアクションゲームで遊ぶためには高度な注意力と眼と手の協調が必要とされ、過去の研究では、PCアクションゲームで遊ぶことで注意機能と感覚運動機能が向上することが示されている。しかし、こうした機能に重要な脳領域である島皮質に対し、PCアクションゲームの体験がどのような影響を及ぼすのかという点については研究が行われていなかった。そこでDiankun Gongたちは、27人のPCアクションゲームの達人(ゲーム歴が6年以上で、地域又は国内でのチャンピオンとして認められている者)と30人のアマチュア(ゲーム歴が1年未満で、習慣的にPCアクションゲームで遊ばない者)の島皮質小領域とその領域内で機能している神経ネットワークを調べた。その結果、PCアクションゲームの達人は、アマチュアと比べ、島皮質小領域内と島皮質小領域間の注意ネットワークと感覚運動ネットワークの機能的結合が多く、島皮質小領域における灰白質の体積も多いことが分かった。
PCアクションゲームで遊ぶと、島皮質小領域の機能統合と島皮質小領域における重要な神経ネットワークが誘導される可能性のあることが今回の研究結果から示唆されているが、その因果関係を解明するにはさらなる研究が必要だ。
doi:10.1038/srep09763
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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