Research Press Release
【地球科学】米国テキサス州の地震、原因は人為活動なのか?
Nature Communications
2015年4月22日
米国テキサス州中北部での地震の原因が同地域での石油・ガス採掘活動である可能性が高いことを示す証拠が明らかになった。今回の研究では、テキサス州アズレでの鹹水の形成と廃液の注入が原因である可能性が極めて高いことが示されている。この研究成果の報告が、今週掲載される。
土木工事と石油・ガス生産が地震を助長する役割を果たすことは、過去数十年間にわたって懸念の対象となってきた。近年、シェール油田での天然ガス開発が大きく拡大しているため、人為起源の地震活動に関係する数々のプロセスを解明することは喫緊の課題となった。
2013年11月、テキサス州アズレ付近の古い断層系に沿って群発地震が発生した。今回、Matthew Hornbachたちは、水理モデルと高精度震源位置標定を併用して、鹹水の形成と廃液の注入が地震を助長する役割を果たす可能性が非常に高いことを明らかにした。
局地的な応力を大局的に評価するHornbachたちの方法は、これ以外の石油・ガス探査地域にも適用できる可能性がある。また、この論文では、石油・ガス生産が行われている地域での地震活動の誘発について解明を進める上で役立つモデルを作製するためにデータセットの追加とモニタリング、規制が緊急に必要とされていることも概説されている。
doi:10.1038/ncomms7728
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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