異常気象に対する人間活動の寄与
Nature Climate Change
2015年4月28日
現在の地球温暖化は、人間の活動に由来している可能性が非常に高いが、このほど行われたモデル研究によって、全世界の豪雨の約18%、異常高温の約75%は地球温暖化が原因であることが明らかになった。この割合は、温暖化が進むと高くなり、例えば、気温が産業革命以前のレベルより摂氏2度上昇すれば、人間の影響による異常降雨の割合が約40%に達することが示された。この研究結果についての報告が、今週のオンライン版に掲載される。
今回、Erich FischerとReto Knuttiは、2つの指標を用いて、全世界の異常高温と豪雨の中で人間の影響によるものの割合を突き止めた。この研究では、1901~2005年のデータを用いたシミュレーションと高排出シナリオに基づいた2006~2100年の予測を考慮に入れた25の気候モデルの日々の出力値に2つの指標が適用された。FischerとKnuttiは、発生頻度が最も低く、最も過酷な事象ほど温室効果ガス排出の影響を大きく受ける可能性が高いと考えており、全球的な観点を用いる方が、個々の気象現象に注目する方法(モデル研究に伴う不確実性が大きくなる場合がある)よりも異常気象に対する温暖化の影響をより確実に推定できる点も指摘している。
また、同時に掲載されるNews & Viewsで、Peter Stottは、今回の研究で「異常高温と異常降雨の発生確率が全球的にどのように変化したのかを示すマップが示された。(しかし、)著者が用いた枠組みでは、この発生確率を特定の個別的な異常気象現象に適用できない」と指摘している。
doi:10.1038/nclimate2617
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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