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星状膠細胞も積極的な役割を果たしている
Nature Reviews Neuroscience
2004年11月1日
今回の研究で、Hirrlinger、HülsmannとKirchhoffは、マウスの脳幹切片を微速撮影し、活性化しているシナプスの付近にある星状膠細胞の突起の動きを観察した。Hirrlingerたちは、星状膠細胞とその突起の動きを見るため、星状膠細胞に特異的なマーカーであるグリア線維酸性タンパク質(GFAP)のプロモーターに調節されて強化型緑色蛍光タンパク質(EGFP)が発現するようにしたトランスジェニックマウス系統を使った。そして組織を蛍光色素FMI-43で染色して、活性化しているシナプスを標識した。FMI-43は、神経伝達物質小胞を再回収する際に取り込まれる。
その結果、Hirrlingerたちは、活性化しているシナプスと密着している星状膠細胞の突起を特定した。この突起には、2種類の動きが見られた。すなわち、ニューロン表面上をすべるように動く葉状突起のような構造体の形成、そして糸状仮足に似た突起の伸長だった。
シナプス付近に位置している星状膠細胞の突起が運動性を有することの機能的意義とは何なのだろうか? Hirrlinger et al.の論文では、運動性を有することによって重要な調節分子の適切な提示に寄与する可能性が示唆されている。例えば、星状膠細胞による神経伝達調節の経路の1つと考えられているのがグルタミン酸の放出と取り込みであり、星状膠細胞の突起の向きを変えることでグルタミン酸輸送体とグルタミン酸放出部位の位置を適正化しているかもしれないのだ。
星状膠細胞がシナプスの機能にとって積極的な役割を担っているという学説は、今回発表された新知見によって、文字通りの意味に近づいたといえよう。
doi:10.1038/fake527
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