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シナプス研究に有望なスクリーニング法
Nature Reviews Neuroscience
2005年9月1日
C. elegansのニューロンは、通常、RNAiによるスクリーニングには反応しない。ところがWangたちは、哺乳動物の網膜芽細胞腫経路のC.elegansにおける相同体の遺伝子がRNAiに対して負の調節を行うという意外な発見をしたのだった。そして彼らは、この経路のいくつかの構成要素が変異していると、RNAiの効果が高まることを明らかにした。そして、おそらく、その理由は、ニューロンやその他の成熟細胞が未成熟の生殖系列細胞に逆戻りし、それによってRNAiに強く反応するようになったからだとされた。
Sieburthたちは、このような変異のあるC. elegansを使って、RNAi実施後にアセチルコリン分泌量が減少した遺伝子を選別することで、神経筋接合部における神経伝達と関係があると考えられる遺伝子を系統的に探索した。その結果、合計185個の遺伝子が同定された。そのうちの132個はシナプスのシグナル伝達に関係があることが今回初めて示された。
次にSieburthたちは、アセチルコリン分泌作用の低下パターンを解析し、これらの候補遺伝子について、機能プロフィールの分類を行った。これらの遺伝子は、シナプスのシグナル伝達の際に、エキソサイトーシス、エンドサイトーシス、活性帯と活性帯近傍の形成、小胞輸送とシナプスでの神経ペプチド調節など広範な機能に関係していた。
Sieburthたちは、この遺伝子のタンパク質産物の多くがシナプス前部またはシナプス後部に位置していることも明らかにした。このことは、これらのタンパク質が、シナプスのシグナル伝達において特定の役割を果たしていることを裏づけている。さらに、彼らは、古典的な遺伝子ノックアウト研究で作製された変異タンパク質を調べ、一部のタンパク質がシナプス機能に関与していることを確認した。
この共同研究は、ただ単にシナプスのシグナル伝達を調節する遺伝子の探索における重要な前進であるだけでなく、この強力な遺伝学的手段が、神経科学の未解明論点に取り組む際に有望なツールとなることを実証している。
doi:10.1038/fake537
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