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解毒酵素の活性をあやつる
Nature Reviews Molecular Cell Biology
2004年5月1日
この結果はNature Structural & Molecular Biology誌5月号に掲載されたもので、酵素が標的を選択し、特定の標的物質に対して選択性を微調整する際のしくみについて、理解が深まった。
パラオクソナーゼ(paraoxonase)は、サリンのような毒性有機リン酸を切断し、不活性化する。また高密度リポタンパク質粒子(HDL、いわゆる「善玉コレステロール」)の成分でもあり、その活性は動脈壁への脂肪沈着の回避にかかわる。
このように、パラオクソナーゼは生物テロ対策と医学的見地の両方に有用である。単一の酵素がこのような広範囲の標的に働くしくみを理解するために、Danny Tawfikらは哺乳類パラオクソナーゼの結晶構造を決定した。構造解析および変異解析により、活性部位の配置と、酵素が標的を選択する方法が示唆された。
これらの結果は、さまざまな生物医学的利用をねらい、一群の基質に対して酵素活性を改変する技術の基礎を提供するものである。
doi:10.1038/fake567
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