Review Summary

非転移性前立腺癌の男性におけるアンドロゲン枯渇療法誘発性骨折:われわれは何を本当に知っているのか?

Nature Reviews Urology

2008年1月1日

Androgen-deprivation-therapy-induced fractures in men with nonmetastatic prostate cancer: what do we really know?

アンドロゲン枯渇療法(ADT)単独、もしくは放射線療法や他の薬剤との併用は、限局性や高リスクの前立腺癌、あるいは前立腺癌の生化学的再発の治療にますます多く用いられている。ADT開始1年目は、骨密度(BMD)減少が速く、骨転移のない(非転移性)前立腺癌患者において、全股関節、大腿骨頸部、腰椎の骨量減少が4.6%に達することが報告されている。前向き研究において、ビスフォスフォネート製剤や選択的エストロゲン受容体モジュレーターの同時投与によりBMDが安定または増加した。骨吸収抑制療法を受けなかったADT施行患者の後ろ向き研究の結果により、骨折リスクの21~37%の増加が示された。骨量減少と骨折リスク増加が認められた場合、患者に適切なカウンセリング、モニタリング、ADT誘発性骨量減少の予防または治療を目的とする治療を行う必要がある。将来的な研究では、骨吸収抑制療法が実際の骨折率に及ぼす長期的影響、QOLや医療費に対する影響を対象とする必要がある。

doi:10.1038/ncpuro0995

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