Research Highlights
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Nature Reviews Cancer
2005年11月1日
腫瘍を早期に検知し、腫瘍進行または治療に対する反応を非侵襲的にモニタリングするための新技術が求められている。Ralph Weisslederらは、マウスの肺腫瘍を特定して追跡するin vivo分子画像法を生み出した。この方法はいずれ、ヒトを対象に同じことができるように開発されるものと思われる。
Weisslederらは、Tyler Jack研究所の研究者らと遺伝子発現プロファイリング分析を実施し、マウス肺腺癌モデルには、カテプシンというシステインプロテアーゼの過剰発現が認められることを突き止めた。このモデルでは、KRASの過剰発現により、特に呼吸上皮の肺腫瘍形成が誘導され、その結果生じた腺癌は、分子レベルでも組織レベルでもヒトの腫瘍と酷似している。Weisslederらは、カテプシンプロテアーゼによって選択的に活性化する光学プローブと、新しい断層画像法を用いることにより、生存マウスにある直径1 mmという肺腫瘍を検知することができた(図参照)。CT画像を融合させた蛍光シグナルの三次元マップからは、蛍光シグナルと腫瘍量との間に、緊密な相関関係が明らかになった。Weisslederらが、同マウスを用いた連続画像法により、腫瘍進行を経時的に追跡できたことは重要である。
カテプシンプロテアーゼはまた、ヒト肺腺癌のほか、大腸癌、膵腺癌および口腔扁平上皮癌によっても過剰発現する。すなわち、この技術はいずれ、患者のさまざまな腫瘍を特定し、その進行を追跡する目的で開発されるものと思われる。
doi:10.1038/nrc1745
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