Gardasil ? 完全なガードになるか?
Nature Reviews Cancer
2005年11月1日
Merck & Co.は、子宮頸癌に対する新しいワクチンGardasilが、第III相臨床試験で100%有効であったと発表した。
Gardasilは、ヒトパピローマウイルスの2つの型(HPV16およびHPV18)に対抗するものである。世界で年間290,000例に上る子宮頸癌による死亡の70%が、このウイルスを原因としている。この試験は、16〜23歳の女性12,167例を追跡したもので、ワクチンを接種した女性には、 HPV16およびHPV18のいずれによる発癌もなく、対照には21例に癌が認められた。ケンブリッジ大学のMargaret Stanleyは、「この試験成績は…、試験全体の規模という点でも、100%の有効性が明らかになったという点でも、非常に興味深い」と話す (http://news.bbc.co.uk, 2005年10月7日)。
Merck社では、2006年に規制当局の許可を得、このワクチンが思春期女性に幅広く接種できるようになることを期待している。同社のEliav Barrは、わが社は「シャンパンのコルクを抜いていますよ」と話す(http://www.timesonline.co.uk, 2005年10月7日)。
しかし、癌を引き起こし、Gardasilでは防御できないHPV株はほかにもあることから、米国立癌研究所のAllan Hildesheimは、「これが万能薬というわけではない」と警告している(http://www.nytimes.com, 2005年10月7日)。実際、Merck社は、臨床試験でワクチンを接種した女性のうち、ほかのHPV株による癌の発生が何例あったかを開示していない。
一方、GlaxoSmithKline社は、独自の子宮頸癌ワクチンCervarixの研究を続けている。
doi:10.1038/nrc1757
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